書籍紹介 自分とか、ないから。 しんめいP

自己啓発

『自分とか、ないから。』要約|7人の東洋哲学をやさしく解説【しんめいP】

「本当の自分って何だろう」「自分が本当にやりたいことがわからない」。そんな"自分探し"に疲れた人の間で話題になっているのが、しんめいPさんの『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』です。

結論から言うと、この本は「東洋哲学のエッセンスを、ゆるい語り口で"自分探し"に効く形に翻訳した入門書」です。ブッダ、龍樹、老子、荘子、達磨、親鸞、空海という7人の思想を、ネットスラングまじりのくだけた文章で紹介しながら、「そもそも"自分"なんてない」という視点を手渡してくれます。哲学の予備知識がなくても読めて、読み終えたあとに肩の力が抜けるような一冊です。

この記事では、本書の要点、各章で紹介される哲学のポイント、読者の評判をまとめて紹介します。

『自分とか、ないから。』の基本情報

書名 自分とか、ないから。教養としての東洋哲学
著者 しんめいP
監修 鎌田東二(京都大学名誉教授/宗教哲学・日本思想史など)
出版社 サンクチュアリ出版
発売日 2024年4月23日
部数 2024年10月時点で11刷・12万6000部(電子書籍を含む)

著者・しんめいPさんについて

しんめいPさんは東京大学法学部を卒業後、大手IT企業に入社しますが、仕事がうまくいかず退職。その後、鹿児島の島で教育事業に携わり、さらにお笑い芸人としてR-1グランプリを目指すなど"自分探し"を続けたものの、どれもうまくいかず、最終的には実家の布団に引きこもる生活を送っていたそうです。

そんなどん底の時期に出会ったのが東洋哲学でした。noteに投稿した「東洋哲学本50冊よんだら『本当の自分』とかどうでもよくなった話」が大きな反響を呼び、書籍化されたのが本書です。企画が通ってから刊行までの3年半で、1000冊以上の文献を読み込んだといいます。

『自分とか、ないから。』の要点(要約)

① 「本当の自分」を探すほど苦しくなる

本書の出発点は、「本当の自分」や「やりたいこと」を探し続けることが、かえって人を苦しめているのではないか、という問いかけです。著者自身が自分探しで行き詰まった経験をもとに、その苦しさの正体を東洋哲学の視点から解きほぐしていきます。

② 東洋哲学は「楽になるための哲学」

西洋哲学が「問い続ける」学問だとすれば、東洋哲学には「どう生きれば楽になれるか」という実践的な答えがある、というのが著者のスタンスです。難解な思想を、生きづらさを軽くするための道具として紹介しているのが本書の大きな特徴です。

③ ゆるい文体で、本格的な内容をわかりやすく

文章はかなりくだけていて、ネットスラングや冗談も飛び交います。それでいて、宗教哲学の専門家である鎌田東二さんが監修についているため、内容の土台はしっかりしています。笑いながら読み進めるうちに、思想の要点が頭に残る構成です。

『自分とか、ないから。』の目次と各章の要約

1章 無我|ブッダ

仏教を開いたブッダの「無我」の教えを紹介します。「これこそが自分だ」と言える固定した実体はない、という考え方です。「自分」へのこだわりを手放すことで苦しみから自由になれる、という本書全体のテーマの土台となる章です。

2章 空|龍樹

大乗仏教の思想家・龍樹(ナーガールジュナ)の「空」の思想を扱います。あらゆるものは他との関係の中で成り立っていて、それ自体で独立した実体はない、という考え方です。章のサブタイトルは「この世はフィクション」。家族や肩書きといった、当たり前だと思っているものの見え方が変わってきます。

3章 道|老子と荘子

中国の老子・荘子の「道(タオ)」の思想を紹介します。無理に何かを成し遂げようとせず、自然の流れに身をまかせる「ありのまま」の生き方です。見出しには「『道』から学ぶ婚活術」といったユニークなものも並び、古代の思想が現代の悩みにどうつながるのかを楽しく読めます。

4章 禅|達磨

禅を中国に伝えたとされる達磨大師の章です。言葉や理屈で考えるのではなく、体験を通して直接つかむ、という禅の考え方が紹介されます。頭で考えすぎてしまう人ほど刺さる内容です。

5章 他力|親鸞

浄土真宗の開祖・親鸞の「他力」の思想を取り上げます。自分の力でなんとかしようとするのではなく、大きな力にまかせてしまう。「ダメなやつほど救われる」という章のサブタイトルどおり、がんばれない自分を責めてしまう人に優しく響く章です。

6章 密教|空海

真言宗を開いた空海の密教を紹介します。欲を否定するのではなく、欲もエネルギーとして肯定する考え方です。「空海は陽キャ」という見出しが象徴するように、それまでの章とは少し違う、前向きでパワフルな思想として描かれています。

また、各章の最後には「ぼくと〇〇」という、著者自身の体験とその哲学を重ねたエッセイ風のパートがあり、思想が実際の生活でどう効いたのかがわかるようになっています。

この本から持ち帰りたい考え方

  • 「自分」は固定されたものではない:性格や向いていることは、環境や人との関係で変わっていくもの。「本当の自分」を探して焦る必要はない
  • 肩書きや役割は「フィクション」でもある:会社や家庭での役割に押しつぶされそうなときは、一歩引いて眺めてみる
  • がんばれないときは、まかせてもいい:何でも自分の力で解決しようとせず、流れや周りの人にゆだねることも一つの生き方

『自分とか、ないから。』の感想・評判(読者の口コミ傾向)

noteの記事から生まれた本らしく、SNSでの口コミから広がり、高齢者から小学生まで幅広い読者に読まれています。「哲学の本なのに笑える」「読んで楽になった」という感想が多い一方、独特の文体については好みが分かれています。

よく見られる高評価の声

  • 難しいと思っていた東洋哲学が、驚くほどわかりやすく頭に入ってきたという声が多い
  • 「自分とか、ない」という考え方に触れて、気持ちがすっと楽になったという感想が目立つ
  • 著者自身のどん底体験が率直に書かれていて、共感しながら読めたという意見もある

気になる点として挙がる声

  • ネットスラングやくだけた言い回しが多く、文体が合わなかったという声がある
  • 入門書としてかなり簡略化されているため、思想をより深く知りたい人には物足りないと感じた人もいる

※読書メーター・Amazonなどに寄せられた読者レビューの傾向を、当サイトで要約したものです(2026年10月時点)。

『自分とか、ないから。』はこんな人におすすめ

  • 「やりたいことがわからない」「本当の自分がわからない」と悩んでいる人
  • 仕事や人間関係で、がんばりすぎて疲れてしまった人
  • 哲学や仏教に興味はあるけれど、専門書はハードルが高いと感じる人
  • 教養として東洋思想の全体像をざっくりつかみたい人

反対に、ブッダや老子の思想を原典に沿ってしっかり学びたい人は、本書を入口にして、気になった思想家の専門書へ進むのがよいでしょう。

まとめ

『自分とか、ないから。』は、2500年以上受け継がれてきた東洋の知恵を、現代の"自分探し"の悩みに効く形で手渡してくれる一冊です。「本当の自分」を見つけなければと焦っているなら、いったん「自分とか、ない」と考えてみる。それだけで、少し呼吸がしやすくなるかもしれません。

あわせて読みたい自己啓発書の記事


参考・出典

-自己啓発
-, , , , , , , , , , ,

© 2026 ベイ通信